まず用意するのはクロマチック・チューナー。
これはさまざまな楽器の音をチューニングするためのコンパクトな機械で、楽器屋に行けば2,000円から3,000円程度で売られています。私が愛用しているのはKORGというメーカーのCA-30というやつです。
使い方はどの機種もほとんど同じ。いたってシンプルなので説明書を見なくても直感的に使えますよ。 |
次にチューニングしようとするビリンバウをいつもどおりに準備し、そのビリンバウの最良の音が出るように調整しておきます。これはそのビリンバウの性能を最大限発揮させるために非常に重要なポイントです。その後でチューナーを使って一番近い音階に合うように微調節していくわけですね。
ここまでで準備は完了です。さっそくチューナーの電源をONにしてみましょう。
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電源を入れたらチューナー本体をビリンバウのなるべく近くに置きます。音を拾うわけですから、カバッサに近いほうがいいです。
もし周囲が騒がしい場合は、他の音に反応して正確は測定ができないこともありますので、そういう場合は別売りのピンマイクをつないで、カバッサを挟んでやるとより確実です(左の写真参照)。
そしたらビリンバウの下の音「トン」を打ってみてください。すると内蔵のマイクが音を感知し、針が触れたり、ランプが光ったりして、その音がどの音階に近いかを示してくれます。
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左の写真では、右上に「E」の文字が出ていますよね。これが音階です。
もし針がちょうど真ん中のゼロに来ていて、緑のランプが点灯していたら、今打った「トン」の音は「E」ぴったりに合っているという意味です。
ところが実際には右側の赤いLEDが点灯しています。これは「E」の音よりも少し高いことを意味しているんです。
中学校の音楽の授業を思い出しましょう。#(シャープ)は半音高い、b(フラット)は半音低いでした。
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ところで突然なんじゃ?このアルファベット?と思いますよね。私も最初は面食らいました。
私たちが普通「ドレミファソラシド」と言っているのは音階のイタリア式の読み方で、同じものをアメリカ・イギリス式に表記すると「CDEFGAB」となるそうです。つまり「C」が「ド」、「D」が「レ」で、「ミ」は「E」です。
私のこれまでの経験から言うと、「トン」の音を測定したとき、グンガの場合はAからB、メジオの場合はBからC#、ヴィオラはC#からEくらいまでの中に収まると思います。
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さて先ほど「トン」の音を打ったときに、皆さんのビリンバウはどの音階に近かったですか?偶然ぴったりチューニングが合っている場合もあるかもしれませんが、たいていはピッタリよりも少し高かったり低かったりしています。
繰り返しになりますが、チューニングがぴたりと合っているという意味は、CA-30の場合ですと、針が真ん中のゼロを示し、緑色のLEDが点灯している状態を言います。写真のようにゼロよりも右(#の側)に振れている場合は、「E」の音より少し高めであることを示しています。この場合、「E」ジャストにするためにはカバッサの位置を下げなければなりません。逆に針が左(bの側)に振れていて、ピッタリに少し足りなかった場合は、カバッサの位置を上げます。
この移動はミリ単位の非常にデリケートな調整です。試してみれば分かりますが、いっぺんに1センチも上げ下げしようものならすぐに隣の音階に飛んでいってしまいます。少しずつ上げたり下げたりしながら、緑色のランプが点くポイントを探してください。
これでチューニングされたビリンバウの一丁上がりです。
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上の作業の結果、例えばあなたのビリンバウの「トン」の音が「C」でチューニングできたとしたら、一般的にはメジオに適したビリンバウだと判断することができます。
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さて、このようにきっちりチューニングされたビリンバウを組合せて、いかに美しいハーモニーを作るかという話は、次の「ハーモニーの研究」のところでします。
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