ビリンバウの構成   ■ビリンバウの組立て方   ■ビリンバウの持ち方   ■ビリンバウの音について

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1. ヴェルガ
2. アラーミ
3. カバッサ
4. バケッタ
5. ドブラゥン
6. カシシ






 →ビリンバウの素材を買いたい人は
   
「カポエイラ・ショップ・ビリンバウ」

 アラーミを張る木の棒をポルトガル語でヴェルガ(verga)と言います。木の種類は、ビリーバ(
biriba)がもっとも有名ですが、そのほかカンデイア、パウ・デ・アルコ、タイポッカ、コンドゥルーなども同等の品質を持つとされています。要は弾力性に優れ、アラーミを解いたときに、再びまっすぐに戻るという特性が重要になります。耐久性ではやや劣りますが、竹でも素晴らしい音のビリンバウを作ることができます。欧米の楽器メーカーの中には、グラスファイバー製のビリンバウを作ってしまった会社もあります。






 左からビリーバの原木、外皮を剥いだもの、薄皮も剥がしてヤスリがけしたもの、ニスを塗ったものです。



 長さは150センチから170センチくらいの間で、制作者によって多少異なります。とはいえ定規でわざわざ測るほどのものでなく、伝統的にカポエイリスタの間では7パルモ(7 palmos:手のひらを広げて親指から小指までの長さの7つ分)が最も適した長さとされています。

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「ビリーバを知っていますか?」: ブラジルはバイーア州のイタパリカ島の山中にビリーバの原木の伐採に行ったときの体験記です。

「ビリンバウの木はビリーバだけ?」:ビリーバ以外の木を写真で紹介しています。

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 ヴェルガに張る弦のことをアラーミ(arame)といいます。


 少し前までブラジルで最も一般的な材料は、車のタイヤの中に巻かれているワイヤーでした。


 ホイールと接する内径の部分をナイフで削ると、中からワイヤーが顔を出します。それを引っ張り出して、付着したゴムをヤスリで掃除して使用します。


 タイヤの種類や大きさによっても異なりますが、タイヤ
1本でビリンバウ12本から15本分くらいのアラーミを取り出すことができます。



 もっとも最近では、ロール巻きで市販されているピアノ線を用いることが多くなってきました。扱いが格段に楽なうえ、品質的にもまったく遜色ありません。


 サンパウロ・カポエイラ界の長老メストリ・アナニアス(1924-)によると、彼が幼少の頃バイーア州サン・フェリックス(Sao Felix)でカポエイラをはじめたとき、師匠のメストリ・ジュベンシオ(Mestre Juvencio)はまだツタの蔓を弦として用いていたそうです。

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 ポルトガル語でひょうたんのことをカバッサ(cabaça)といいます。


 ヴェルガとアラーミにくくりつけられた部分ですね。ここが共鳴体の役割を果たします。乾燥させたひょうたんの球形の部分を切り取り、中の種をかき出して使用します。



 カバッサほど一般的ではありませんが、コイテ(coite、日本名:ヒョウタンノキ)という果実が用いられることもあります。コイテはカバッサより硬質で、加工もしにくいですが、機能的にはさほど違いはありません。

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「コイテを知っていますか?」:コイテの存在を知らないカポエイリスタも少なくないのではないでしょうか?


コイテの日本語名はズバリ、「ヒョウタンノキ」:たまたま見つけた新聞記事です。

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 アラーミを叩くバチがバケッタ(baqueta)です。


 長さは
30センチから40センチくらいで、材質としてはチクン(ticum)、樫の木、ビリーバなどのほか、竹もよく使われます。


 手に握る側の端はやや太く、アラーミを打つ側の端にかけてやや細めに削られています。ある程度の硬度と重量があったほうが大きな音を出しやすいです。

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「チクンを知っていますか?」:これもイタパリカ島で私も初めて目にしたチクンの原木です。棘のある木だなんて想像したこともありませんでした。


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 アラーミに押し付けて音を変化させる丸型の金属片をドブラゥン(dobrão)といいます。



 ドブラゥンとはそもそも「硬貨」の意味で、実際20世紀初頭には40ヘイス、80ヘイス硬貨がビリンバウを演奏する際に使われていました。これらの硬貨は厚みもあり、他のものより重く、アラーミを押さえるのに理想的な大きさだったためです。今日でもバイーアの古いメストリの中には、これらを大事に使っている人もいます。


 カポエイラが商業ベースに乗ってきた昨今では、大きさ、厚み共により使いやすい製品として、真鍮のバーをスライスしたものがドブラゥンとして販売されています。今日のカポエイリスタがドブラゥンと聞いて最初に思い浮かべるのは、こちらのほうだと思います。


 とはいえ今日まで最も一般的に使われているのは石(pedra)ですね。河原や海岸に落ちている、平たくて丸みをおびたものが最適です。カポエイリスタの中には、この石やドブラゥンに特別な思い入れを込める人もいて、ビリンバウを使わないときも小袋に入れて首からかけたり、お守りとして持ち歩いている人もいます。

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「これが本物のドブラゥンです」:昔の硬貨、今日のイミテーションと石を写真で紹介しています。

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カシシ(caxixi)は、ひょうたんの破片を底部に、側面をヴィミ(vime:こり柳の枝皮を剥いだもの)やピアッサーヴァ(piaçava)で編んだマラカスのような楽器です。中には木の実や小石、貝殻などが入れられます。


 バケッタを持つほうの手の中指と薬指に通し、手のひらで軽く握るように持ちます。バケッタを振るたびに音が出ますが、トーキの種類や弾き手によっては、あえてカシシだけを振ってリズムにアクセントをつけることもあります。

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