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ヴェルガの張り方には様々な方法がありますが、ここでは最も一般的な方法を紹介します。
これが準備の姿勢です。
ヴェルガが滑らないように足の内側でストッパーをかけ、左手はヴェルガの先端を持って、右手でアラーミを伸ばします。
このとき右手には紐を一巻きしておき、アラーミと紐の結び目を握るような感じにします。 |
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次に右ひざの膝小僧をヴェルガにあてがい、ゆっくりと体重をかけてしならせます。急激に体重をかけるとヴェルガを折ってしまう危険性がありますので慎重に行ってください。
要するに「てこの原理」ですから、ヴェルガの先端を握った左手の位置をしっかり固定しておくのがポイントです。ヴェルガをうまくしならせられない人の多くは、膝で体重をかけながら、左手も一緒に下げてしまっているようです。足で下端を固定し、左手で先端を固定した真ん中を膝で押してやるような感覚です。
ではどの程度までしならせればいいのでしょうか?これはカバッサをつけて音を試すうち、そのビリンバウの最適な張り具合というのが分かってきます。ヴェルガも自然物ですから、使い始めは「慣らし」が必要です。最初のうちは少しずつ曲げて行きましょう。
またアラーミを巻きつけるときに戻ってしまうからと、戻ってしまう分の余裕を見て、しならせ過ぎておくのは止めたほうがいいです。必要な分だけしならせて、その位置で確実に固定できるようになるまで何度も練習してください。
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ヴェルガをしならせたら、すばやくアラーミを固定します。
この部分が初心者の方には一番難しく感じられるのではないでしょうか?せっかくしならせたヴェルガが、アラーミを巻いているうちにじわじわと逆戻りしてしまいますよね・・・。誰でも最初はそうなんです。私もそうでした。でも心配は要りません。これも力わざというよりは、ちょっとしたコツの問題ですので、あまりイライラせずにじっくり練習しましょう。
写真ではなかなか難しいですが、できるだけ丁寧に説明していきますね。
さて、いよいよ巻きつけ始めです。
このとき当たり前ですが、ヴェルガのしなりを左手と膝と足のストッパーだけで支えなければならない瞬間があります。右手で巻きつける以上、仕方ないですね。 |
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ただ多くの方が悩むのもこの部分なんです。ポイント次のは2つです。
@巻きつけるほうに神経が行き過ぎて、体重をかけた膝を緩めないこと。
A同時に左手をしっかり手前に引きながら、アラーミを一巻きするたびに、少しずつ下に滑らせてくること。ただし滑らせながらも固定する力は緩めないでください。
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巻きつける回数はアラーミの長さによって変わりますが、強度という意味では2、3回で十分です。それ以上巻いても固定力には関係ないだけでなく、作業中に逆戻りしてしまうリスクを増やすだけです。
もし調節が可能であれば、アラーミはヴェルガに2巻きできる程度の長さの物を使いましょう。
紐を巻きつけ始めたら、写真のように、一巻きするごとに「たるみ」を引き締めながら巻いていきます。こうすることで最後、手を離したときにズルズルッと戻ってしまうあの嫌な現象を予防することができます。
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これも私なりの工夫ですが、紐の部分はクロスを作るように巻いていきます。
最後は巻きの下をくぐらせて、上の写真のようにしっかり引き締めます。これを2回行います。
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巻きつけの完成図です。
紐の先にコブが2つあるのが見えるでしょうか?これも紐を引っ張るときに手がうまく引っかかるための工夫です。こんなことだけでも案外違うんですよ。ひと結びを2回しただけですので、一度試してみてください。
★なおビリンバウを弾かないときは、原則としてアラーミを緩めておいてください。張りっぱなしのまま置いておくと、曲がった形でヴェルガの型が付いてしまい、次回ほどいたときにまっすぐ戻らなくなります。そうなれば音質にも影響が出ますね。
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