基本となる6つの音     ■パターン表の見方     ■練習のポイント     ■代表的なトーキの練習

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1. 声に出して読みながら
2. 正しい長さで読もう
3. ペア練習がおすすめ



 ビリンバウに限らずパンデイロでもアタバキでもそうですが、打楽器を覚えるときの早道は、その部分を声に出して読みながら弾いてみるというやり方です。例えば上の例の場合、「トン・チト・チン・ツツ、トン・チーン・ツツ」という具合ですね。パターン表の下段のローマ字表記をそのまま読むだけで、かなり近い音になると思います。カタカナの発音との対応は前掲の表を参考にしてください。


 声に出して読めないということは、そのリズムがまだ頭に入っていないことを意味します。読めないものは決して叩くことはできませんし、逆に口で言えるパターンは必ずビリンバウ上で再現できます。CDを聴いていて、「おっ、これいいな」と思ったヴァリエーションを耳コピするのも、同じプロセスですね。まず口でコピーしておいて、それを頼りにビリンバウで弾いてみるという手順です。


 声の大きさも口の中でつぶやくのではなく、歌を歌うようなつもりで大きな声ではっきり言ってみましょう。繰り返しますが、口でしっかり言えばいうほど、そのリズムが私たちの中に刻み込まれます。言えないものは決して叩けません。だまされたと思って、ぜひ試してみてください。この方法は最良です。


 また、こういうやり方をすれば、極端な話、ビリンバウがなくてもビリンバウの練習はできるんですね。まだマイ・ビリンバウを持っていない人、隣への騒音が気になって家で弾けない人は、タオルを巻いたパンデイロを叩きながら、ビリンバウのベースとヴァリエーションをひたすら口で言うのです。それを繰り返した上で翌日ビリンバウを手にしたら、あら不思議、口に導かれて手が自然に動くことにきっと驚かれるでしょう。

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 ところで声に出して読む際に、もうひとつ大切なことがあります。それは正しい長さで読むということです。本来は音符で表記すればこういう問題は起きないところなんですが、本書では「楽譜が読めなくても分かる」というのを売りにしてオリジナル記号を用いているだけに、各記号の表す長さをきっちりと押さえておく必要があります。



 例えば「●」が4分音符だとすれば、「○」は8分音符で、半分の長さを意味しています。それを本書では「dom:トン」と「do:ト」というふうに表記し分けています。したがってこの長さの違いを無視して読むと、「1 2 3 0」のテンポの中に収まりません。


 1 2 3 0」のテンポの中に収まらなくて困ったら、ひとまずビリンバウを置き、パンデイロを持ってください。パンデイロで通常のカポエイラのベース「ドン・パッ・ドン・シャカ」を叩きます。これがそのまま「1 2 3 0」に対応していますので、パンデイロを弾きながらビリンバウのパートを声に出して読んでみます。そうすることで長さがきちんと収まっているのか、どの音が原因ではみだしているのかが見えてくるでしょう。パンデイロがない場合はアゴゴでもいいですし、手拍子で「パン・パン・パン・パン」と4回打ちながら行うこともできます。


 もっと本格的にと思えば、メトロノームを使うのもいいですね。最近は音と光で表示する小型タイプのものが、非常に安価で売られています。これを傍らにおいて流しながら練習すれば、あなたもビリンバウ・マシーンになれます!

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 もし仲間と一緒に練習できる場合は、役割を決め、一人がひたすらベースのみを弾き、もう一人が様々なヴァリエーションを練習してみます。その目的は、相手の弾くベースからはみ出さずにヴァリエーションを弾きこなせるかをチェックすることです。音の長さを正確に捉えていないと、ヴァリエーションからベースに戻るときに、相手とずれていることに気付くでしょう。少しずつ複雑なヴァリエーションに挑戦して、いつでもベースに戻れるように練習を重ねてください。ビリンバウが2本なければ、もう一人はパンデイロでもアタバキでも何でもいいでしょう。

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